子うさぎ時代は、悩むことがたくさんあります。
答えを見つけようとしても、すべて「個体差」で、片づけられてしまうのですから。
一番のお悩みは、子うさぎ時代の食事では?
そこで、今回は、子うさぎ時代の食事は、こうしたらどう?を、まとめておきます。
子うさぎの食事、この記事のまとめ
1.ペレットは、3ヶ月齢を目安に、無制限でも与えてもいい。
2.野菜・おやつは、4ヶ月齢なら、安心して与えられる
3.子うさぎの育児方法は、年々流行りのスタイルがあり、確立されていない
子うさぎの年齢と人間の年齢の比較
ボク、いつまでも、子ども扱いされてるっ!人間の年齢と比較できれば、もっと、わかりやすいのにぃ~!
だって、実際に、まだ子うさぎじゃないの!小っちゃいし・・・
そんなはずないっ!カラダは小さくても、ボクは、もう大人なんだぞっ!
確かに、うさぎの成長は、とっても早いからねっ!
子うさぎとは、7ヶ月齢まで
子うさぎ時代とは、だいたい生後1ヶ月~7ヶ月齢まで、と考えてみます。
人間で考えるとわかりやすいので、おおざっぱな、子うさぎと人間の年齢をおさらいしておきます。
子うさぎの年齢を、人間に置き換えて考えてみる
子うさぎの年齢 | 人間の年齢と生活 |
---|---|
1ヶ月齢:【母の免疫】 | 2歳:ヒトは離乳食、よく寝る |
2ヶ月齢:【自分の免疫を立ち上げ中】 | 5歳:ストレスへの耐性 |
3ヶ月齢:【自分の免疫ができてくる】 | 7歳:社会への耐性 |
4ヶ月齢:【自分の免疫で暮らす】 | 9歳:基礎的な勉強 |
5ヶ月齢: | 11歳:応用的な勉強 |
6ヶ月齢: | 13歳:思春期 |
7ヶ月齢: | 16~17歳:反抗期 |
1歳齢: | 20歳:成人式 |
うさぎさんの食事の基本の考え方、時代による変化
うさぎさんの食事の基本は、1.水の飲み放題、2.牧草の食べ放題、3.ペレットです。
牧草は、固めの牧草に慣れてもらえるように、イネ科の一番刈りを準備します。
1番刈りは、奥歯ですりつぶして、食べるので、うさぎさんの歯の健康のために、良いのです。
食べるのに時間がかかるので、1番刈りは、子うさぎ時代から、食べなれてもらえれば、シニア期にやわらかめの牧草に移行することもできます。
2009年生まれの愛うさぎが、子うさぎ時代には、【牧草神話】と呼ばれる育て方がありました。
【牧草神話】は、「牧草だけ食べる方が良い」という考え方で、流行していました。
アレンジした、水は飲み放題、牧草は一番刈りを食べ放題、ペレットは少量、という考え方で育てなさい、ということでした。
愛うさぎの子うさぎ時代のペレットは、イースター社のバニーセレクション(いわゆる「バニセレ」)のグロースでした。
食事量は、裏面通りで体重1kgに対して、20gずつを朝と夕に食べていました。
これは、愛うさぎを迎えた時代のショップの指導方法です。
そのショップは、現在、小動物の取り扱いがなくなってしまいました。
二代目は、GEX社のラビットプレミアムが食べ放題です。
もちろん、水は飲み放題、牧草は一番刈りを食べ放題、漢方の「なつめ」という内容です。
漢方とはいえ、おやつの部類に入る「なつめ」は、やや気になります。
お迎えしてから、「なつめ」の与え方を、変えました。
そういうわけで、現代は、ペレット食べ放題が、主流のようです。
まだ、うさぎのこと、わからないことが、多いんだね・・・。
ボクは、まだ3ヶ月齢だから、ペレット、たくさん食べるよ!
やっぱり、まだ子うさぎじゃないの!しかも、赤ちゃん!
赤ちゃんかもしれないけど、ボクの夢は、大きいんだっ!すぐに、大きくなっちゃんだからっ!
わたしたち、3ヶ月齢を過ぎてくると、ペレットの量って、自分で調整できるように、なるのよね!
自分で、調整しながら、食べてるようにするから、もうちょっと、ちょうだいっ!
こんな風に、うさぎさんの食べ物や食べ方は、時代によって、変わっていきます。
もちろん、育て方もそうです。
愛うさぎ時代より前には、うさんぽ禁止、複数飼い禁止が、主流の考え方でした。
現代は、うさぎの情報交換目的、ストレス耐性をつけるために、うさんぽも可になっています。
また、ヨーロッパなどでは、動物をひとりにしないで、パートナーを作ることが推奨されています。
この流れでは、数年後に、日本でも、複数飼いの流れになってくるのかも、しれません。
アメリカで、ヒトのグルテン(小麦粉由来)のアレルギーと、依存性などが報告され、グルテンフリーが、流行りました。
インドなどでも、グルテンを含んでいると、おなかを壊すということで、他の穀類を代用することもあるようです。
この流れで、うさぎさんのペレットのグルテンを減らす動きがあり、グルテンフリーの商品が、出ています。
こんな風に、どんどん時代によって、変わるので、わたしたちの子うさぎ育ては、情報に、翻弄され続けています。
子うさぎ時代の栄養とアルファルファ
ペレットをたくさん食べてもらうというのは、子うさぎに、マメ科牧草のアルファルファを食べてほしいからです。
アルファルファの牧草は、なかなか、手に入りにくいので、ペレットで代用しているのです。
また、ペレットには、子うさぎのカラダを健康に保つサポート成分が、入っているので、カラダを維持しやすくなります。
アルファルファは、ウマゴヤシと呼ばれる植物です。
その名のとおり、馬を肥やす、馬のカラダを健康にさせるものです。
つまり、栄養が豊富って、ことですね。
しかし、市場では、イネ科のチモシー牧草がたくさん流通しています。
アルファルファ牧草を見つけるのは、大変に苦労します。
そこで、ペレットを使って、子うさぎのカラダを作れるようになったわけです。
ケースバイケースで考える、子うさぎ時代のペレットの量
まず、だいたい3ヶ月齢まで、基本的には、お迎えしたショップで、どういう食べさせ方をしているか、ショップの通りで調整するしかありません。
急に食事の内容を変更しないことで、子うさぎの免疫システムを作り上げることを、優先させることができます。
子うさぎ時代って、ちょっとしたことで、体調を崩しやすいのよね。驚いたり、ストレスを感じたり、環境やご飯の内容が変わったり・・・
それに、ボクたち、うさぎは、栄養価が低い食事でも、どんどん、成長できると、思われているんだよ・・・。
ちなみに、ホームセンターのようなところだと、しっかり教えてくれない場合が、あるそうです。
そんな場合は、まず数日間は、成長期用のペレットの袋の裏に書かれている、規定量通りにする。
そして、一番刈りのイネ科牧草を食べ放題、水を飲み放題にして、様子をみましょう。
それとショップで、生野菜を与えていた場合は、しばらく、その習慣をやめます。
成長期用のペレットを規定量通りに戻し、一番刈りのイネ科牧草食べ放題、水を飲み放題で、まずは、生活に慣れてもらいましょう。
食べる量を観察して、よく食べるようであれば、ペレットを食べ放題に近づけても、よさそうです。
ペレットの食べ放題は、牧草を食べているかどうか、でも考え方が、変わります。
チモシー牧草を、食べられないのに、ペレットを適量はダメです。栄養が不足してしまいます。
一番刈りのチモシー牧草を食べるよう工夫しながら、ペレットは食べ放題にするしかありません。
一番刈りのチモシー牧草を食べるきっかけをつくるために、三番刈りのやわらかめのものを混ぜたりします。
また、いつでも食べるきっかけを作るために、トイレの上に置いたり、牧草BOXのカゴを作って、サークル内に置いたりします。
さらに、取り組んでみてほしいのは、「言葉をかける」ことです。
たくさん食べて、エライね!
牧草、おいしいよね!
いっぱい食べられて、スゴイね!
牧草を食べると、ほめてもらえるので、頑張って食べるようになります。
どうぞ、試してみてください。
人間とうさぎの言葉は、違うかもしれないけど、ほめられると、うれしいのは同じっ!ママの声色でも、わかるもんっ!
ボク、もっと、牧草も食べられるよ!お母さん、見ててっ!!!
子うさぎ時代のペレットのあげすぎは、栄養過剰には、なりません。
子うさぎ時代は、過剰になったら、排出されるだけです。
太り過ぎも、子うさぎ時代は、さほど気にしなくて、大丈夫です。
それよりも、骨格をつくり、内臓を活発にするような筋肉をつくり、とカラダの基本を作ることをサポートする方が、よさそうです。
子うさぎ時代は、代謝が良くて、水も大量に飲むので、カルシウムの沈着は、気にしなくて大丈夫です。
本来、ペレットの量は、子うさぎ時代に、バラつきのあった母乳を補うことです。
そのため、一人ひとり育ち方の違う、子うさぎの適正量を出すことは、難しいのです。
栄養不足の場合は、やせ体質になります。
骨がでて、ガリガリになっているときは、栄養不足です。
だけど、背中を包み込むようにさわってみて、骨を感じる程度で、標準体型です。
骨を感じるのではなく、骨が浮き出ていれば、栄養不足です。
ガリガリ体型は、ペレットの量を増やすと同時に、うさぎに詳しい病院で、健康を確認したほうがよい状況です。
カラダが、しっかりできあがるまでは、しっかり、食べたほうがいいのね・・・。わたしの時代とは、違うのかしら・・・
時代とともに、子育て理論は、変化するんだね・・・。
それでも、ペレットの量が決められないなら、毎日の体重測定で様子を見ることができます。
ちゃんと増えているかどうかの観察です。
子うさぎ時代は、体重がゆるやかにでも、急激にでも、増えてよい時期です。
増えていないのなら、プラスした方がいいし、増えているのなら、その量でも、よいという判断ができます。
最近、人間の子どもを母乳で育てることが、復活してきたようです。
母乳だと、体重がちゃんと増えているかどうか、新生児用の体重計で、測定します。
あれと同じで、子うさぎ時代は、体重が増えているかどうか、毎日モニターすると、わかりやすくなります。
なまえ:ミル吉
性別:男の子
種類:ホーランドロップ
カラー:ブロークンブラック
年齢:3ヶ月齢
なまえ:はなえ
性別:女の子
種類:ライオンラビット
カラー:ブラウン
年齢:永遠の7歳
子うさぎ時代は、3ヶ月齢までの赤ちゃんと、6ヶ月齢までの成長期に分ける
ペレットの量やおやつのことは、子うさぎ時代をひとくくりにするので、わかりにくくなっているのです。
子うさぎ時代は、3ヶ月齢までの赤ちゃん時代と、6ヶ月齢までの子うさぎ時代に分ければ、成長期の解釈が、わかりやすくなります。
子うさぎ時代のうち、3ヶ月齢までは、赤ちゃん時代。とても、短い期間です。
この貴重な時間が、もらえた場合は、大切な贈り物だと思って、過ごしてみてください。
母うさぎからもらった免疫の期限が切れ、2ヶ月齢ごろから、自分の免疫を立ち上げているときです。
免疫というと、人間の場合は、胸腺や抗体を想像すると思います。
うさぎさんは、腸内細菌で生かされている生き物です。
人間や他の動物とは、全く違います。
わたしが、うさぎさんの免疫といっているのは、腸内細菌も含めて言っていると思って、聞いてください。
この腸内細菌は、うさぎさんの食べ物を分解して、発酵させて、健康食品を作る仕事をしています。
健康食品とは、盲腸便のことです。
盲腸便には、ビタミン類など、うさぎさんのカラダに必要なものがたくさん入っています。
2~3ヶ月齢までの赤ちゃん時代には、骨格や筋肉、カラダの基本を作ると同時に、食べたくなる健康食品(盲腸便)を作る盲腸工場の立ち上げ中なのです。
子うさぎ時代は、ちょっとしたことで、この盲腸工場の製造工程の具合が悪くなります。
いいうんちが、出ると、ほめられるから、うれしいなっ!
いいうんちは、健康の印だもんねっ!
盲腸工場の盲腸便が、食べるにあたいする、よい製品(よい盲腸便)を製造できるように、食べ物を考えてあげなければなりません。
盲腸工場の製品をよくするためには、よい原材料が必要です。
よい原材料とは、牧草と水です。
牧草の味を覚えてもらうためには、おやつは、ジャマ物です。
おやつの甘い味、おいしそうなニオイを覚えてしまうと、牧草よりもおやつが、欲しくなってしまいます。
人間の子どもだって、スーパーでダダを、こねていますよね。
牧草の味をしっかり覚えないと、牧草を食べる量が減ったり、水分に満足してしまったりします。
りんごやニンジンなどの野菜は、水分がありすぎます。
母うさぎと一緒に生活できない、子うさぎ時代には、野菜類は、あげないことです。
万が一、今、あげて心配になってしまったのなら、8時間後に便になるので、それまで様子を観察してください。
下痢をしたり、うずくまるなど、様子がおかしければ、即・夜間動物病院に行きます。
子うさぎの下痢は、致命傷です。
夜間動物病院は、人間と同じで、時間外診察料が高くつきますが、命のために、お願いします。
おやつは、3ヶ月齢をすぎてからなら、うさ飼いさんの考えで、食べさせることもできます。
3ヶ月齢あたりで、うんちの状態が安定してくるからです。
うんちの状態を数日間、確認して、丸い大き目のうんちがでていて、盲腸便も食べきっているようであれば、うんちの状態が安定したと判断できそうです。
盲腸便とはちがって、やわらかい形が崩れたうんち、やわらかい平べったいうんちを発見したら、まだ安定できていないと判断します。
盲腸便は、小さいうんちがくっついたブドウの房のような形です。
食べていない場合は、いい盲腸便でなかった、と本人が判断して、食べていませんので、いくつも食べ残しているようであれば、まだ安定できていないと判断した方が、よさそうです。
そうやって、観察してみると、結果的に、4ヶ月齢なら、ある程度、安心して、おやつを食べて、もらえる時期となってしまいそうです。
自分の考えで、ペレットの量を5%ぐらいまでに、減らし始めてもいい時期です。
ペレットの量を減らすときは、1ヶ月で1%ぐらいずつ、徐々に落としていくと、体力的にきつくないと言われています。
わたしは、一定量のペレットで、育ったのよっ!ペレットの量のことは、あまり神経質にならなくても、いいのかもねっ!
ボクは、3ヶ月半くらいの年齢になったら、食べたいペレット量が減ってきたんだ。その分、牧草を食べているよ。甘くて、おいしいよ!
3ヶ月齢の子うさぎでも、まだ、おなかの調子は整いませんので、乳酸菌などをあげたい方は、同じく4ヶ月齢以降がよいのではないか、と、わたしは、思います。
下痢があるようであれば、今、自力では、免疫もおなかの菌の立ち上げができないと、判断してもよいのです。
自力では無理なので、人力で、動物病院などで乳酸菌をもらって食べさせます。
すぐに終わっちゃう、赤ちゃん時代を楽しく暮らす
3ヶ月齢すぎるまでは、心配なことがたくさん、あります。
大変ですが、赤ちゃん時代は、すぐに終わってしまいます。
先ほども紹介しましたが、この赤ちゃん時代は、今しか、持てない時間です。
うさぎの赤ちゃんを育てる経験は、醍醐味です。
うさぎさんと暮らすときに、迷ったら、野うさぎの生活を考えてみると、わかりやすいです。
野うさぎと呼ばれる野生のうさぎたちは、赤ちゃんのときは、ちゃんと母親と暮らし、その後も兄弟などで集団で生活しています。
カラダによい食べ物は、母うさぎが教えてくれるのです。
集団でいるので、安心だし、カラダをあたため合ったり、グルーミングというマッサージもしてもらえます。
だけど、ショップで迎えた子うさぎたちは、ひとり立ちが早かったり、その上、ひとりぼっちです。
不安な時もあるだろうし、マッサージしてほしいときもあります。
それと、母うさぎの免疫の有効期限が切れたら、自分で生きていけるようにしなければ、ならないわけです。
いきなり、食事の内容を変えると、おなかがびっくりして、また盲腸工場の調子が悪くなります。
ママうさぎの記憶って、わたしないな・・・。気がついたら、この家で、暮らしていたんだもんっ!
ボクは、ショップのお兄さんが遊んでくれた記憶、まだ、あるよっ!その後、お母さんと暮らし始めたんだっ!
お母さんがね、ボクの背中をナデナデしながら、「いろいろ、あったんだね・・・」って、言ってくれたんだ・・・
子ども時代に成長期用のペレットは、とても悩むポイントだと思います。
過去には戻ることができないので、ちょっとしたトラブルの時に、「栄養が少なかったのかな?」と思ったり、「栄養過剰だったのかな?」と振り返ることがあると思います。
カラダの強さは、ある程度、持って生まれた運命です。
わたしなんて、人間ですが、子どものときに、母乳を全部吐いてしまい、その上、人工乳で育ちました。
初乳が吸収されなかったし、人工乳育ちなので、免疫が弱いです。
だけど、ちゃんと生きていますし、両親も育ててくれました。
ちなみに、免疫が弱いので、アレルギーには、なったことがありません。
カラダが弱ければ、弱いなりのサポートをしてあげれば、きっと大丈夫です。
子うさぎの年齢とペレットや生活の考え方の一例
子うさぎの年齢 | どうするか |
---|---|
1ヶ月齢すぎ:【母の免疫】 | ※たくさん寝かせる、食事:ペレット+一番刈り牧草【食べ放題】 |
2ヶ月齢すぎ:【自分の免疫を立ち上げ中】 | 少しずつ環境に適応させる、食事:ペレット+一番刈り牧草【食べ放題】 |
3ヶ月齢すぎ:【自分の免疫ができてくる】 | 食事:ペレットの調整可+一番刈り牧草【食べ放題】+乾燥したおやつなら、様子を見ながらOKかも |
4ヶ月齢すぎ:【自分の免疫で暮らす】 | ペレット量5%ほど+一番刈り牧草【食べ放題】、おやつOK+乳酸菌OK |
6ヶ月齢すぎ: | 散歩は、ハーネスはまだ無理。怖がらなければ、ベランポ(ベランダ)などは、短めでできるかも |
7ヶ月齢すぎ: | 徐々にペレットを維持期用に移行、大人に似た生活に。イヤがらなければ、ハーネスをつけて、うさんぽも徐々にできる |
参考資料&文献
・ペレットの量:総合ペットショップの助言より
・ペレット量の減らし方:動物病院の助言より
・おやつと月齢:うさぎ専門店の助言より